今朝、道新にのった札幌市の産後ケア助成。
このことで、
「浪内さんのところも産後ケアやってるよね」
今日会った、何人もの方に声をかけていただいた。
妊娠をしたら、突然「お母さん」と呼ばれるようになり、
出産したら大きな喜びと同時に、
ずっしり肩にのしかかるプレッシャー。
命の重み
私にも、世の中のどんな事件やニュースより、
- 何時におっぱいを飲んだか
- 今日は何回おしっこがでたか
そっちのほうが大事に思えた時期があった。
お母さんとなった私
出産した夜に、
泣きやまない赤ちゃんを抱いて、
廊下を徘徊すると泣き止んだ。
昨日生んだお母さん、隣の部屋のお母さん
みんな赤ちゃんを抱っこして静かに歩き続けた。
すれちがうと、
みんな微笑んで頭を軽くさげてくれる。
「おたくもね。おめでとうね。がんばろうね」
心の声が聞こえた。
また夜が明けた。
私の腕の中に私の赤ちゃんがいる。
なんてぽかぽかで、はかなく小さいのか。
はじめて抱っこした子どものあたたかさが忘れられない。
幸せで涙があふれた。
母親になったこと
不安とプレッシャーで押しつぶされそうな夜も
なんだって頑張れる気がした。
眠らなくても私は大丈夫。
そんな私を
私の母親が心配そうに見ている。
お茶を入れてくれる。
「ああ、もう冷めちゃったね。」
笑いながらお茶を飲む。
出産後はやることも多くて、ゆっくり座って
- あついお茶を飲む
- お産をふりかえる
- 頑張った自分をほめたたえる
そういう余裕はなかった。
昔の私に声をかけられるなら、と今思う。
「まずはお母さんのいれたお茶を飲みなさい」
「それからでも全然大丈夫」と。
2人目の出産の時は
年を重ねて、気合いと根性では
乗り切れなくなってきた。
もっともっと知るべきこと
それからいろいろ調べたり、資格をとり、研究を重ねて、
私なりの赤ちゃんのお世話や産後のからだのこと
テーマごとに細かく分析した。
世の中には、
助産師学校の授業で習う以外にも
- 産後の体調の整え方
- からだと母乳の関係の注意点
- 泣かせない抱っこの方法
- 赤ちゃんをぐずらせない方法
- 赤ちゃんの気持ちがわかる方法
・・・などなど
知っておくと助かること(知らないとつらいこと?)が
たくさんあることがわかった。
そんな1つ1つを、お母さんに届けたい。
お母さんに、あたかいお茶を飲んでほしい。
なみうち助産院の「産後ケアサポート」は訪問型。
おっぱいの対応や赤ちゃん沐浴のほか、
掃除、洗濯、上の子の送り迎え、上の子と遊ぶ
ご飯したく、買い物、ゴミ捨て、などなど
言われたことをなんでも手伝うサポート。
札幌にあるような
通所型や宿泊型までは、まだ整っていない。
でも、お母さんの産後を社会で支えようとする
動きが出てきたことが何より嬉しい。
そして朝から
「産後ケアはやっぱり大切だから頑張ってね」
と声をかけてもらえる、その一言が嬉しい。
お母さん達を応援している気持ち
私だけではないのだから、
これからも
ここで、この地域で、
お母さん達にその気持ちを届けて行こう。
小さな助産院からでも、声を出して活動して行こう。
今夜もまた、新しい命が誕生し
泣きやまない赤ちゃんを抱っこしながら、欠けていく月を見て
わきあがる不安とプレッシャーを飲み込みながら、
夜を過ごすお母さんが一人でもいる限り。
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